【開幕第1戦・展望】

March 18th, 2025
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日本で開催されるMLBの開幕戦で日本人投手が投げ合うのは史上初めて。カブスの今永昇太(31)とドジャースの山本由伸(26)が投げ合う。2023年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で侍ジャパンを優勝に導いた左右のエースが、2025年のMLB開幕を彩る。

両投手ともに、球数のメドは80球程度。あくまで3月中旬から下旬に差しかかる時期は、通常のオープン戦なら3月27日の米国本土での開幕戦に向け、状態を上げている段階。日本での開幕は歴史的な行事だが、プレーオフ進出を目指す両チームと両投手としては、3月18日に100%の状態で臨むわけではない。

今永は昨季、15勝3敗、防御率2.91の好成績。ナ・リーグ新人王投票4位、サイ・ヤング賞投票で5位に入った。緊張やプレッシャーもあるが、日本で応援してくれる人のためにも好投する。

「僕がマウンドに上がることで、ケガをしないかな、大丈夫かなと見守ってくれる家族とか、トレーナーさんもいるので、そういう人たちのためにも頑張りたい」

対する山本は昨年、韓国で開催された開幕第2戦で先発し、1回4安打5失点KOの苦い経験がある。

「失敗から学ぶことはすごく多いですし、大事な1試合を落としてしまった責任が大きいですが、少しでも多く、プラスに変えて今季に少しでも多くつなげていけたならいい」

プレーオフの最終盤となる10月下旬までエースとしてのフル回転がドジャースからは期待されている。

大谷翔平(30)は先攻のドジャースで「1番・DH」でスタメンする。2025年MLBの公式戦で最初に打席に入るのが大谷だ。左肩手術の影響などで投手復帰を一時“封印”して、打者専念で東京での開幕シリーズに備えてきた。3月14日の会見では、期待される本塁打について語っている。

「打者にとって本塁打というのは最高の結果だと思うので、その結果を出せれば素直にうれしいですけど(中略)そこ打順の仕事をまずしっかりできれば、最大の目標は勝つことなので、そこに対しての自分の仕事ができればいいんじゃないかなと思います」

勝利最優先のポリシーは野球人生で不変。ワールドシリーズ連覇を目指し、勝利につながる1本のヒット、1つのフォアボールで貢献する。

大谷と公私共に仲のいいカブスの鈴木誠也(30)はチーム方針で今季DHが主戦場になりそうだ。守備につく希望は持ち続けつづけているが、まずは与えられた役割で全力を尽くす。そして、メジャー4年目で初めてのプレーオフ進出を目指す。

「毎年ケガをしてチームを離れることがあるので、今季はケガなくしっかり万全な状態で1年を終えて、ワールドチャンピオンになれるように頑張りたいと思います」

故障離脱がなければ、打率3割、30本塁打、30盗塁をできるポテンシャルがあるはず。

開幕戦は4人の日本選手が出場する。日本球史、MLB史にも残る記念すべき一戦だ。