WBC米国主将にアーロン・ジャッジ

トラウトからキャプテンシーを受け継ぐ

April 15th, 2025
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      来年のワールドベースボールクラシック(以下WBC)の米国代表のキャプテンにヤンキースのアーロン・ジャッジが任命され、ヤンキースタジアムで記者会見を行った。

      マーク・デローサ監督から「USA」の帽子を手渡されると、「サイズ、ぴったりだ」と笑った。

      「監督に任命された時、真っ先に思い浮かんだのは背番号『99』だった。ジャッジにキャプテンになってほしい、ジャッジがふさわしいと思った」とデローサ監督は熱く語る。

      前回大会はマイク・トラウトがキャプテンを務め、日本との決勝戦前には米国の国旗を掲げ、チームを率いて入場した。トラウトがいたからこそ、スター選手が集まった。監督はトラウトへの敬意も忘れない。

      「昨日トラウトに連絡したら、『ジャッジこそが適任だ』と言ってくれた」とデローサ監督が一連の流れを説明すると、トラウトからキャプテンシーを受け継いだジャッジは顔をくしゃくしゃにした。

      「『USA』を着けて、この国の全員を代表できることのは本当にうれしい。子供の頃からの憧れだったので本当に楽しみ。どの国の選手もエゴを捨てて、国代表として使命を持って戦う。とても素敵なコンセプトだと思う。選手生命のなかでこういう機会をもらえるのは光栄なこと」

      前回2023年のWBC決勝はヤンキースの春季キャンプ地で見ていた。

      「(テレビで見ているのは)つらかった。つらかった」

      ジャッジは二度繰り返した。

      「球界最高の選手たちが集まってラインナップを組んでいた。自分もその一員になりたかった。でもオフにヤンキースと契約を結び、キャプテンに任命されたばかりで、再び名門チームとして復活させるために春季キャンプを抜けるわけにはいかなかった」

      ベッツ、トラウトなどスター選手たちが米国の国旗を胸にプレーする姿を複雑な思いで眺めていた。

      キャプテンとして昨季ヤンキースをワールドシリーズに導いた。リングは取れなかったが、名門復活の狼煙は上げた。

      「今季も長いシーズンを戦い、オフシーズンを短くして、WBCまで勢いを維持していきたい」

      長いシーズンとはもちろん10月、11月の試合を指す。ヤンキースのキャプテンとして昨季の悔しさを果たし、WBCに臨みたい。

      キャプテンとして選手勧誘も行うのか、という質問が飛ぶと、ジャッジは「監督がラインナップの組み方を知っているから」と交わしたが、ジャッジが声をかければ、いや、かけなくても米国代表でプレーしたい選手は多いだろう。ヤンキースのブーン監督はジャッジを「求心力のある選手」と語るように、ジャッジのカリスマ性や存在感そのものが米国代表にとっては大きい。

      覇権を取り戻すべく来年3月に向けて米国も始動した。